ニュース

講演「Health care in Danger –危機に立つ医療活動—」を聴講して

2018.01.30研究・ゼミ

 赤十字国際委員会(ICRC)パキスタン代表部のマーチェイ・ボルコウスキ氏の講演を聴講する機会がありました。マーチェイ・ボルコウスキ氏は、紛争下での医療を保護し、民間人が医療サービスを受けられるよう全世界でHealth care in Dangerプロジェクトを展開するICRCに所属され、パキスタンでプロジェクトの統括をされている方です。


 私が、初めて「戦争のルール」という言葉を聞いたのは、2007年日本赤十字社本社で開かれた「International Humanitarian Law Seminar」に参加し、井上忠男先生のお話をうかがった時でした。最初は、無秩序だと思っていた戦争に、ルールがある事に驚きました。戦争のルールは、国際人道法で決められています。そのルールでは、紛争下において負傷兵や病人への迅速な治療を妨げる事を禁じています。


 しかし、実際にはどうでしょうか。ボルコウスキ氏のお話では、世界情勢が緊迫している今日、多くの医療施設や医療関係者が犠牲になっているとのことでした。具体的にシリアでは60%の医療機関が機能しなくなった事、イエメンではもともと脆弱な医療が攻撃され機能を失った事などが紹介されました。医療施設や医療者が被害に遭うとその地域の医療サービスが低下し、多くの人々が、医療サービスを受ける事が出来なくなってしまいます。そのような厳しい環境下で暮らす人々の事を思うと心が痛みました。改めて国際人道法を普及させ、人々の尊い命を分け隔てなく救う事が出来るようにと働きかける必要性があると思いました。


 日本国内では、自然災害に目が向けられがちですが、世界では紛争や人的災害が増加傾向にあり、人の命が無秩序に脅かされています。この現状に目を向け、災害看護に携わる学生として学びを深めていく必要性を感じました。

(記 山内 万裕美)