国際・災害看護学領域
国際・災害看護学領域 概要
健康の格差や災害にかかわる課題に、看護の知と実践で取り組みます。
国際看護学、災害看護学を基盤に、論理的思考に裏打ちされた実践力を培います。世界的視野から現象を多面的にとらえ、地域の人々の暮らしに寄り添いながら活動をするために、時には看護学以外のさまざまな学問体系や理論を学びつつ、国際看護学、災害看護学の担い手になられることを目指します。
研究指導教員
野口 眞貴子
教授
人々の健康を支えるには、学際的な取り組みが必要です。その一翼を担う看護学の専門性を研く研究、活動を支えます。歴史ある看護学の大学院という環境で、グローバル社会での看護の立ち位置を改めて見つめなおし、思考を深める機会を生かしていただきたいと考えています。
内木 美恵
教授
看護は対象の理解が重要です。自然災害における被災者および、海外における難民や紛争の犠牲者の生活背景や価値観を理解し、その苦しみを軽減できるよう支援や看護を探求したいと考えています。私は、避難所や応急仮設住宅で生活する人々への健康を支える支援、災害時要配慮者への支援、子どもおよび母親への災害時の支援に興味があり、研究を行っています。災害により健康を害する人が少なくなるよう大学院生の皆さんと探求し、実践に活かしていきたいと思っています。
織方 愛
准教授
地域の人びととの協働により世界の健康課題にアプローチします。ご自身のフィールドを活かしながら,国内外の赤十字や教員のネットワークを駆使し,国際看護学と災害看護学の理論と実践を総合的に学べる環境でお待ちしています。
領域の特色
当領域の修士課程には、国際看護学、災害看護学それぞれの研究コースと災害看護の専門看護師(Certified Nurse Specialist;CNS)コースがあります。研究コースでは学位論文研究をゴールに、科学の方法、言葉、論理で現象を捉え、世界の人々の健康を思索します。また専門看護師コースで目指す災害看護専門看護師とは、災害時の救護だけではなく、平時から多職種や行政との連携、協働など、災害看護のスペシャリストとしての活動が期待されています。
博士課程では、国際看護学、災害看護学の研究者として、より幅広い観点で現状を変革する先駆者になられることを目指します。
研究活動
Coming Soon
社会貢献活動
Coming Soon
院生・修了生の活躍
修士課程(CNSコース) 長谷川睦 木本 雅人 木村晃一
「蟻の目から鳥の目へ」
私たちは日々、災害看護とは何か、また災害による被災者の減少に向けて看護師としてできることや被災者の負担を軽減できることはないか考えています。当コースでは、講義、演習、実習、研究、ディスカッションなどを通して、災害看護を国際的かつ多角的な視点からとらえることができます。災害そのものだけでなく、災害に関する法律や倫理、歴史など知識を深めていきます。
災害演習の授業では、テーマに沿ったプレゼンテーションからゼミメンバー全員でディスカッションを繰り広げ、災害看護について考察していきます。また、院生はオンラインを使用した授業や会議に臨むなど、時代に沿った形態で勉学を行うことが可能です。
実習では救命救急センターについて学び、病院が行っている防災などを自分の経験を重ねあわせ学んでいきます。また、病院というフィールドを超え、地域での防災セミナーを行うなど住民の方へ防災活動の知識の普及をするよう取り組んでいきます。
また、研究では領域の先生方からの丁寧な指導により、自らの研究テーマを追求していくことが可能です。災害というものを蟻の目のように狭い世界で考えるのではなく、俯瞰的に捉え多面的な考えである、いわば鳥の目の視点を持って学びを深められるという魅力があります。
学位論文テーマ
博士論文テーマ
- 原発災害により長期避難生活をしている子どもを持つ母親のエンパワメントを促すアプローチ
修士論文テーマ
- 東日本大震災の津波発生時に避難誘導を行った高齢者通所介護施設職員の安全確保に関する体験
- 東日本大震災の被災地に居住する外国人妻が避難所生活を送る中で生じる思い
- 東日本大震災時の沿岸地域の孤立集落における住民の共助活動
- 東日本大震災後に仮設住宅で暮らす排泄に関する問題をもつ人の体験
- 日本赤十字社の看護職のこころのケア要員が東日本大震災で取り組んだこころのケアの実際
- 経済連携協定に基づくフィリピン人看護師の看護実践の実態
- 東日本大震災における被災地内の市町村保健師の活動実態~避難所到着後24時間に焦点をあてて~
- 医療機関に勤務する看護職が地域防災活動に継続参加する理由
- 日本の難民認定申請者の健康課題
- 東日本大震災における看護師の行動-院内の防災教育からの学びに焦点を当てて-