おたよりリレー 綾部 明江さん(修士課程5回生)

綾部 明江さん(修士課程5回生)

茨城県立医療大学 保健医療学部看護学科
公衆衛生看護学 准教授

 

 私は、看護師としての臨床経験もなく、保健師経験も3年のみという状態で修士課程に入学しました。豊富な臨床経験を積まれた方や、すでに看護教員として働いた経験のある同級生の中で、授業についていくだけでも必死だったことを覚えています。また、研究も、始めは高齢者に関わる他職種の連携について取り組もうとしましたがうまくいかず、結局、介護負担と在宅サービス利用の関連について研究を実施しました。いろいろな意味で先生方にも同級生のみなさんにも教えていただくことの多い2年間でした。 
 修士の時に悩んだ他職種連携の課題は、時を経ても日本の介護における課題としてまだ続いていると感じています。現在、介護予防事業の評価や、主任介護支援専門員研修として地域援助技術に関する講師をさせていただく機会があります。研修の際には、今でも修士課程の時に悩んだあの時の思いを、参加者と共有していると感じることがあります。 
 そのような私ですが、現在は茨城県立医療大学の公衆衛生看護学領域に在籍しています。学部・大学院教育や保健師への就職転職支援、県内に在籍する保健師への研修、本学卒業生保健師を中心としたライングループの運営などを通して、保健師の人材育成に取り組む毎日です。また、東日本大震災で都内に避難した被災者の健康相談や、茨城県内の難病患者さんのグループのスタッフとして運営に参加するなど、保健師の立場から対象者に関わる機会もあります。 
 現在の主な研究課題は、保健師が行う健康相談の教育手法の開発です。本学では臨床実習前後の学生を対象にOSCEを実施しているのですが、その際保健師としての課題作成を担った経験を基に研究を実施しています。健康相談、家庭訪問、地区組織活動など、公衆衛生看護技術の詳細はまだ解明されていない部分がまだ多くありますが、分析を続けることで、学生や一般の方にも保健師活動が理解しやすい形として提示できればと考えています。

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