おたよりリレー 吉田 彩さん(修士課程12回生)

吉田 彩さん(修士課程12回生)

中京学院大学
看護学部 講師

大学院の皆様に感謝を込めて

 30周年おめでとうございます。

 大学院について思い返しますと、まず、編入生の頃を思い出します。私が学部に編入した時期は、博士後期課程が創設されて初めての修了生が誕生した頃だったのだと思います。学部の授業の際に先生方が「大学院生が面白い研究をしているのよ」と大学院の様子をお話しくださったことを覚えています。また、私の看護学との出会いは樋口康子先生の看護科学論でした。編入生は少人数でしたので、樋口先生と学生が輪になりとてもお近くで、科学とは何か、学問とは何かを考え、看護の学問としての可能性に強く魅かれたことが思いおこされます。

 卒業後、呼吸器内科で働く中で、日々苦しい状況で過ごしている患者さんに十分な看護ができないことに悩み修士課程に進みました。守田美奈子先生のゼミでは、合宿で浴衣で語り合ったことがまず思い出されますが、自由に学ぶ喜びと自分に向き合う苦しさの間を行き来する毎日だったように思います。様々な経験をもつ院生の仲間や先生方とフィールドノートを読み合わせ「患者さんのこの言葉の意味は何だろう」などと丁寧に考えることの大切さを学んだことは、現在の研究や教育の基となっていると感じます。

 修士課程修了後、母校での教育や緩和ケア病棟での臨床に携わった後に、実家近くで育児をするため岐阜県に引越しました。現在は大学で慢性期看護学の教員をしています。実習では看護学の面白さを学生にどのように伝えればよいか悩みながら、時々大学院での日々を思い出しています。先生方に育てていただいたように、私も学生たちを育てていきたいと思っています。研究では在宅緩和ケアをテーマにしています。在宅ケアの発展は目覚ましいですが、山間部などでは資源に限りがあるという課題も見えてきました。

 大学院を離れて久しいですが、現在の私を形作ってくださった先生方をはじめとした大学院の皆様に感謝しております。母校の今後ますますの発展をお祈りしております。

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