おたよりリレー 今井 真喜さん(修士課程27回生)

今井 真喜さん(修士課程27回生)

公益社団法人川崎市看護協会立
向丘訪問看護ステーション かわさき訪問看護ステーション
兼務 訪問看護師 在宅看護専門看護師

大学院30周年に寄せて

 日本赤十字看護大学大学院開設30周年おめでとうございます。
 私が大学院に進学した2020年はCOVID-19にて世界が揺れ動いた年でした。大学院入試は2019年の8月。合格通知が来た時は大変うれしかったことを覚えています。しかし、退職する2か月前はCOVID-19アウトブレイクにてその対応に追われ、後ろ髪を引かれる思いで退職し大学院生活がスタートしました。
 4月には緊急事態宣言が発出され、当時小学2年と年長の息子たちは学校や保育園に通えなくなりました。小学校からは自己学習のプリントが大量に届き、丸つけまでが親の役割となりました。じっとしていられない時期でも外で遊べない息子たちを抱えながらの大学院生活は厳しい状況でした。修士1年の夏、学業の時間を更に確保しなければと思い、家事の分担や睡眠時間の調整など、育児時間はきちんと確保しつつ2年で卒業できるよう夫婦で話し合い、走り続けました。子育てと学業の両立に翻弄していたので、学位授与式を終えた後もゴールを切った感覚はなく、急に終わりが来たようなそんな不思議な感覚でした。
 大学院での学びを一言で表すと「視野が広がった」ということです。私自身はプライベートでは小学校や子ども会との関りがありますが、昨今ではこども会やPTA活動などの任意活動は嫌煙されがちで、私自身も看護師の仕事とは別物という感覚でした。しかし、そのような地域活動も在宅看護における様々な課題に立ち向かっていくためには必要なリソースになっていくことに気づかされました。そのような視点から区PTA役員としても活動し、その中で地域教育の大切さや重要さを知ることができ、福祉・医療と共通している課題や対策があると思い至りました。例えば、地域の災害やコミュニティにおける取組は訪問看護の領域においては非常に重要なものばかりです。このように普段の地域活動に意味づけて参加し訪問看護の役割とは何かといった視点を持てることが私にとっては大きな学びになりました。
 2020年以降の学業は、大学側もオンライン授業の導入など先生方をはじめ大学関係者の方々のご苦労があったと思います。私たちの学びを継続していくために様々な形で尽力していただき本当にありがとうございました。また、子育てへのご理解とサポートもありがとうございました。改めて感謝申し上げるとともに、益々のご発展をお祈り申し上げます。 

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