専門看護師(CNS)コース

高度実践看護師教育課程[専門看護師(CNS)コース]

本大学院「高度実践看護師教育課程」では、専門看護師教育課程を開設しています。

専門看護師教育課程は、保健・医療・福祉現場において、複雑な健康問題を有する患者にケアとキュアを統合し、卓越した直接ケアを提供するとともに、相談、調整、倫理調整、教育、研究を行い、ケアシステム全体を改善することで、看護実践を向上させる高度実践看護師を養成する教育課程です。

各専門看護分野における看護師のスペシャリストとして機能することができるように、卓越した実践能力の開発をめざします。本大学院は、「がん看護」「小児看護」「慢性看護」「クリティカルケア看護」「老年看護」「精神看護」「在宅看護」「災害看護」の8分野を、日本看護系大学協議会から専門看護師38単位教育課程として認定されています。

専門看護師の認定

日本国の看護師免許を有し、専門看護分野で所定の単位を取得した修士課程修了者で、かつ実務研修が通算5年以上あり、うち3年間以上は専門看護分野の実務研修である場合、日本看護協会にその分野の専門看護師認定の申請をすることができます。詳細は日本看護協会のホームページをご覧ください。

日本看護協会

専門看護師の果たす役割

専門看護師(CNS)とは、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識及び技術を深めた看護師で、日本看護協会専門看護師認定審査に合格し、ある特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有することが認められた者のことをいい、次の各項の役割を果たします。

  1. 専門看護分野において、個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。(実践)
  2. 専門看護分野において、看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)
  3. 専門看護分野において、必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。(調整)
  4. 専門看護分野において、個人・家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。(倫理調整)
  5. 専門看護分野において、看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)
  6. 専門看護分野において、専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。(研究)

各分野の特徴

がん看護
がん看護に関する病態生理学、看護理論、援助論等に加え、診断時から終末期までのがんリハビリテーション看護(心理社会的支援を含む)、緩和ケアに関する科目を設けています。

小児看護
小児のプライマリーケアに重点を置き、児童虐待を見分ける力を育成するプログラムを設けていることが本学のCNSコースの特徴です。入院施設だけでなく、地域にある診療所や福祉医療施設で活躍できるCNSを育成しています。

慢性看護
本学では、慢性病をもつ人の意思決定やセルフケアを支えるケアについて学ぶことができます。また、大学院生の関心に応じてサブスペシャリティを深めることが可能です。

クリティカルケア看護
本学では、身体的な側面だけでなく安楽なども含めた包括的な視点から、クリティカルケア領域に必要な知識や理論と実践を学ぶことができます。

老年看護
老年期に関する看護学等の諸理論をもとに、高齢者を全体論的に捉え、その価値観や信念を尊重した看護を実現するために必要な倫理的・臨床的な看護判断能力を養い、専門看護師としての機能や役割について学びます。

精神看護
本学のCNSコースでは、実習が充実しています。直接ケア実習では、毎週一回現場に行き、主に慢性期の患者とじっくりとかかわり、それをフィールドノーツとクリニカルゼミで振り返ります。CNS資格を持ち、実践経験の豊富な教員もいて、皆さんの学びを支えます。

在宅看護
在宅看護だけでなく、退院支援や外来看護なども含めた地域包括ケアの中でリーダーシップを発揮する専門看護師を育成するカリキュラムです。実習は、日赤関連病院の退院支援部門や訪問看護ステーション、CNSの活躍する訪問看護ステーション、在宅療養支援診療所などで行います。

災害看護
災害看護CNSは、地域特性、災害サイクル、活動現場、被災者特性を基盤に、活動現場のリーダーとして活動できるための6つの能力の育成カリキュラムから構成されています。現場での学びを大事にしています。