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富岡町でのフィールドワーク

2018.02.20研究・ゼミ

 平成29年4月に6年以上に亘った避難指示が一部を除き解除され、住民の帰還が開始となった富岡町を同年12月に訪問し、帰還された方に町をご案内いただきながら、現在の生活についてお伺いしてきました。12月現在、町に帰還された住民の方は住民登録数のうちの約3%だそうです。町の中には、住む人が戻らず崩れかけた家屋や、家屋が取り壊されて更地になったところが多くありました。また、日が落ちてからの町の様子は初めて目にするものでした。例えばどれほど人口が少ない場所であっても、そこに家があり人が生活していれば明かりが灯り、生活の気配があります。しかし、家があるのにそこに明かりが点くことはなく、人の気配もなく、生い茂った草木に覆われている光景を前に、6年以上の避難が、町とそこで生きてきた人の生活に及ぼした影響の大きさを感じました。

 新聞やニュースで取り上げられることもしばしばある、インフラ整備に向けた取り組みは町の多くの場で見られました。それを鑑みた上でなお、町民の方々にはいろいろな事情があり、6年あまりの歳月の中で築いてきた現在の生活と富岡町、それぞれとの関係性の中で揺れ動いているのだと思います。
 町の今後について、町民の方々がそれぞれの立場で向き合い進もうとされている様子を、肌で感じる貴重な機会をいただきました。同じ時代に生き、災害看護を学ぶ者として、出来ることは何か考え続けたいと思っています。

(記 小林 千紘)